Javier Enriquez

チョルパン・イルハン（1936-2014）はトルコの女優である。1936年イズミル生まれ。父親の弁護士ベドリ・イルハンが郡長として赴任したため、アナトリア各地で育った。アダナのバーチェ、バリケシルのスンドゥルグで子供時代を過ごした。バリケシル高校在学中にカンディリ女子高校に転校し、卒業。その後、イスタンブール市立音楽院演劇科と国立美術アカデミー絵画科を卒業。在学中にアカデミーの友人たちとアカデミー劇場という劇団を設立し、演劇を制作した。1957年、映画「カメリアの女」で主役を務めるオファーを受け、映画デビュー。同年、キュチュク・サフネでミュニル・オズクルとウグル・バシャランと共に「愛しい影」という劇でプロの舞台俳優としてデビューした。キュチュク・サフネで3シーズン演劇に出演した後、同劇場が解散し、オダ劇場でミュフィット・オフルーオウルとサバハッティン・クドゥレット・アクスルの「逆さ傘」に出演。その後、ケント・オユンジュラリでグネル・シュメールの「明日は土曜日」に出演。ケンテール家とも「春の歌」、「ナリン」、「愚かな娘」で共演した。息子のケレムが生まれた後しばらくの間、演劇活動を休止した。1960年代半ばに映画で芸能活動を再開し、300本近くの映画に出演した。1970年代後半まで映画で主役を演じ続けたイルハンは、その後映画界から離れ、ファッションデザインに専念。ニシャンタシュに「チョルパン・モダ」というアパレル会社を設立した。その後はテレビドラマを中心に活躍した。2000年代には「タットゥ・ハヤット」でフェラエ役、「ヤヌク・コザ」でエスマンル役として視聴者の前に現れた。チョルパン・イルハンは2014年7月25日、イスタンブール・ニシャンタシュの自宅で心臓発作により亡くなった。2日後、ハルビエ・ムヒシン・エルトゥグルル劇場での追悼式とテシュヴィキエ・モスクでの葬儀の後、ジンジルクルユ墓地にサドリ・アリシクの隣に埋葬された。チョルパン・イルハンは、20世紀トルコ詩壇の最重要人物の一人である詩人アッティラ・イルハン（1925-2005）と、弁護士で弁護士会創設者のチェンギズ・イルハン（1927-2011）の姉妹である。メティン・エルクサン、フィクレット・ハカン、ミュニル・オズクルらと婚約していた時期もあったが、1959年8月20日、忘れられない映画俳優サドリ・アリシク（1925-1995）と結婚し、アリシクの死まで結婚生活を続けた。この結婚から1960年に生まれた息子、ケレム・アリシクも俳優の道を選んだ。また、夫と同じ名前の孫もいた。1998年に文化省から国家芸術家称号を授与された彼女は、1997年にサドリ・アリシク文化センターを設立した。